TRAILER

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INTRODUCTION

主演・眞栄田郷敦×監督・半野喜弘『雨にゆれる女』『パラダイス・ネクスト』
音だけの世界から「光」と「色彩」を取り戻していく
青年のまなざしが捉える戦争の記憶

幼い頃に視力を失い、手術は成功するも色彩を感じられない20歳の青年、光。彼は、戦後日本を代表する写真家・東松照明の写真に導かれるように長崎へ。そこで自称革命家の友部からドキュメンタリー映画製作に誘われた光は、長崎・沖縄の戦争の痕跡を辿ることになる。道中、祖母から戦争体験を聞いて育った詠美や、沖縄と家族を愛する糸洲など、心に傷を抱えながらたくましく生きる人々との出会いを通して、光の人生は大きく動き出すーーー。

第35回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門に正式出品され、長らく劇場公開が待たれていたロードムービー『彼方の閃光』。監督は、『雨にゆれる女』『パラダイス・ネクスト』に続き、長編映画3作目となる半野喜弘。モノクロの映像美の中で、光のまなざしが捉える戦争の痕跡、そこに暮らしながら未来を守ろうとする人々の営みを、繊細かつ鮮烈に描き出す。

半野自身の原案による物語は、この作品世界に強く共鳴した俳優・制作チームの熱い情熱により、実現した。主演は、確かな存在感と演技力で、いま最も注目を集める若手実力派の眞栄田郷敦。本作が映画初主演となる当時21歳の眞栄田が放つ眩いばかりの輝きは、まさに“閃光”となってスクリーンに焼き付けられている。友部という超難役をすさまじい情熱と技術で演じ切った池内博之、この映画を見るものはその熱量に圧倒されるに違いない。日本のヒップホップクィーン、Awichは、その演技でも独自のカリスマ性と豊かな潜在能力を見事なまでに証明した。沖縄への愛、悲しみを乗り越えて未来を守ろうとする男・糸洲を演じるのは、自身も同じ志を持つ、沖縄出身の尚玄。そして、71歳の主人公を演じた加藤雅也の類まれな存在感は、本作品の描く世界を力強く押し広げている。

STORY

生まれて間もなく視力を失った10歳の少年・光(ヒカリ)。
光にとって世界は「音」であり、彼はカセットテープに自分の世界を録音してゆく。
光の眼は手術をすれば視力を得られる可能性があった。母の説得により、手術を受けることを決意するが・・・。

20歳になった光(眞栄田郷敦)は、東松照明(1930-2012)の写真に強く導かれるように長崎へ。
旅先で出会った自称革命家の男・友部(池内博之)にドキュメンタリー映画製作に誘われ、
長崎・沖縄の戦争の痕跡を辿ることになる。
その中で、心に傷を負いつつもたくましく生きる女・詠美(Awich)、
沖縄を愛し家族を愛する男・糸洲(尚玄)と出会う。
戦争の痛ましい記憶と彼ら3人の生き様は、光の人生を大きく揺さぶり始める。
灼熱の日々の中、光の眼に映るものとは、何か?

そして、51年後の2070年、71歳になった光(加藤雅也)。彼の生きる世界は大きく変容していた---。

CAST

GORDON MAEDA

眞栄田 郷敦Gordon Maeda

2000年生まれ。ロスアンゼルス出身。父は千葉真一。
2019年『小さな恋のうた』で役者デビュー。近年の主な出演作に、映画『午前0時、キスしに来てよ』『東京リベンジャーズ』『カラダ探し』、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』、TVドラマ「ノーサイド・ゲーム」「私の家政夫ナギサさん」「エルピス -希望、あるいは災い-」などがある。最新出演作として『ゴールデンカムイ』が2024年1月19日(金)に公開待機中。

HIROYUKI IKEUCHI

池内 博之Hiroyuki Ikeuchi

1976年11月24日生まれ、茨城県出身。
モデルとして活動した後、1996年、ドラマ『東京23区の女』で俳優デビュー。ドラマ『GTO』で人気を博す。
『イップ・マン序章』(中国映画)、『リンボ』(香港映画)など海外作品にも精力的に出演を続けている。
国内でもドラマ『それでも愛を誓いますか?』、舞台『リボルバー』などジャンル問わず様々な作品に出演。
直近では2022年NETFLIXにて世界同時独占配信の『夜叉-容赦なき工作戦-』(韓国映画)に出演。

AWICH

AwichAwich

1986年生まれ、沖縄県出身。
2020年 にメジャーデビューを果たした、今後の飛躍が期待される注目のラッパー/アーティスト。
アーティスト活動以外にも映像制作、舞台演出、ファッションイベントの企画などクリエイティブなジャンルを横断している。

Shogen

尚玄Shogen

1978年生まれ、沖縄県出身。
2005年 戦後の沖縄を描いた映画『ハブと拳骨』でデビュー。その後も映画を中心に日本で活動するが、2008年に渡米。現在は日本を拠点に邦画だけではなく海外の作品にも多数出演している。
2021年に主演・プロデュースを務めた映画『義足のボクサー』(ブリランテ・メンドーサ監督)が、釜山国際映画祭にてキム・ジソク賞を受賞。
2022年同映画祭でAsia Star Awardを受賞。
2023年に沖縄で新しく開催される映画祭「Cinema at SEA-沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル」のアンバサダーも務める。

MASAYUKI ITO

伊藤 正之Masayuki Ito

1958年6月1日生まれ、新潟県出身。
映画『HERO』や、映画『THE有頂天ホテル』、ドラマ『漂流教室』、NHK連続テレビ小説『てるてる家族』、ドラマ『わたしのお嫁くん』、NHK大河ドラマ『真田丸』などに出演。舞台だけでなくテレビドラマや映画で、真面目な風貌にユーモアあふれる台詞回しの役で活躍中。

MASAYA KATO

加藤 雅也Masaya Kato

1963年生まれ、奈良県出身。
メンズノンノやパリコレクションを経験後、88年『マリリンに逢いたい』(すずきじゅんいち監督)で俳優デビュー。
95年から活動拠点をロサンゼルスに移し、海外作品に多数出演。
代表作に「BROTHER」「海猿」「真田十勇士」「彼女は夢で踊る」「軍艦少年」「キングダム」がある。
現在は日本を拠点に俳優、モデル、ラジオDJとして活動し、2021年からは写真家としても活動の場を広げている。
レギュラー番組は、「加藤雅也のBANG BANG BANG!」(Fm yokohama)。

STAFF

YOSHIHIRO HANNO

半野 喜弘Yoshihiro Hanno

映画音楽作家として巨匠ホウ・シャオシェン監督『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(1998)をはじめ、ジャ・ジャンクー等アジアを代表する監督によるカンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭招待作品の音楽を数々担当。アジアン・フィルム・アワード作曲賞、台湾金馬奨音楽賞等にノミネート。最新作はフランスの名匠クリストフ・オノレ監督『Winter boy』(ポール・キルシェ、ジュリエット・ビノシュ)。映画監督としても『雨にゆれる女』(2016)でデビューし、東京国際映画祭アジアの未来部門に招待。監督第二作の台日合作『パラダイス・ネクスト』(主演:妻夫木聡・豊川悦司 音楽:坂本龍一)は2019年に台日で公開され、台湾金馬奨2019の美術賞にもノミネートされた。
東松照明
1930年名古屋市生まれ(2012年没)。戦後の日本の写真界を牽引する中心人物として活躍。基地周辺の人物や風景をとらえた「占領」シリーズをはじめ、原爆の記憶を辿った『〈11時02分〉 NAGASAKI』(1966年)など、時代状況への鋭い視線とともに、写真表現の可能性を切り開いてきた。1969年に沖縄と出会って以後、基地だけではなく豊かな自然や風俗への関心も深め、その成果は毎日芸術賞や芸術選奨文部大臣賞を受賞した作品集『太陽の鉛筆』(1975年)に纏められた。1999年には長崎へと拠点を移し、その後沖縄にも拠点を作り、旺盛な作品制作を展開
沖縄戦の図
丸木位里・俊の描いた「沖縄戦の図」は、地上戦である沖縄戦を体験した方々の証言に基づき、その人々がモデルになって描かれたもの。丸木夫妻は、「日本人の多くは体験した「空襲」を戦争と思ってしまっている。世界で起こっている戦争は地上戦なんだ。空襲と地上戦は全く違う。日本人は戦争に対する考え方は甘い、こういう国はまた戦争をするかもしれない。」と述べていた。「沖縄戦の図」は、地上戦を国内で唯一体験した沖縄の人々に沖縄戦のことを教えてもらいながら戦争で人間がどのように破壊されるかを描きそのことをしっかり見て、戦争をしない歴史を歩んでいってほしい、という丸木夫妻の願いが込められている。沖縄にある佐喜眞美術館にて、常設展示している。

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