KV

彼方の閃光

INTRODUCTION

「音」から「光」そして「色彩」へ、
「戦争の記憶」から「未来」へ、2時間49分の旅。

音だけの世界から色彩へと帰結するストーリーは、観客を「映画の根源をたどるロードムービー」へと誘い、
長崎・沖縄の戦争の記憶をたどる足跡は、「戦争とは?敵とは?」と次の世代へ問いかける。

「自主映画の構想から生まれた、奇跡のアンサンブル

監督を務めた半野喜弘自身の原案による物語は、この作品世界に強く共鳴した俳優・制作チームの情熱により、実現された。
本作が初主演映画作品となった21歳の眞栄田郷敦が放つ眩いばかりの輝きは、まさに「閃光」となって映画に焼き付けられた。
友部という超難役を凄まじい情熱と技術で演じ切った池内博之、この映画を観るものはその熱量に圧倒されるに違いない。
本作で本格的な女優デビューを果たしたAwichは、その演技でも独自のカリスマ性と豊かな潜在能力を見事なまでに証明した。
沖縄への愛、悲しみを乗り越えて未来を守ろうとする男・糸洲を演じるのは、自身も同じ志を持つ、沖縄出身の尚玄。
そして、71歳の主人公を演じた加藤雅也の類まれな存在感は、本作品の描く世界を力強く押し広げている。

STORY

生まれて間もなく視力を失った10歳の少年・光(ヒカリ)。
光にとって世界は「音」であり、彼はカセットテープに自分の世界を録音してゆく。
光の眼は手術をすれば視力を得られる可能性があった。母の説得により、手術を受けることを決意するが・・・。

20歳になった光(眞栄田郷敦)は、東松照明(1930-2012)の写真に強く導かれるように長崎へ。
旅先で出会った自称革命家の男・友部(池内博之)にドキュメンタリー映画製作に誘われ、
長崎・沖縄の戦争の痕跡を辿ることになる。
その中で、心に傷を負いつつもたくましく生きる女・詠美(Awich)、
沖縄を愛し家族を愛する男・糸洲(尚玄)と出会う。
戦争の痛ましい記憶と彼ら3人の生き様は、光の人生を大きく揺さぶり始める。
灼熱の日々の中、光の眼に映るものとは、何か?

そして、51年後の2070年、71歳になった光(加藤雅也)。彼の生きる世界は大きく変容していた・・・。

CAST

GORDON MAEDA

眞栄田 郷敦Gordon Maeda

2000年1月9日生まれ。アメリカ・ロサンゼルス出身。父は千葉真一。兄は新田真剣佑。
2019年映画『小さな恋のうた』で俳優デビュー。同年、池井戸潤の小説を原作としたドラマ『ノーサイド・ゲーム』での演技が高く評価され、2021年1月に放送されたテレビドラマ『星になりたかった君と』では地上波ドラマ初主演を務めた。 テレビドラマ:『私の家政婦ナギサさん(2020)』、『レンアイ漫画家(2021)』、『プロミス・シンデレラ(2021)』、『キン肉マン THE LOST LEGEND(2021)』(主演)、『カナカナ(2022)』(主演)
映画:『午前0時、キスしに来てよ(2019)』、『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~(2021)』、『東京リベンジャーズ(2021)』 などに出演。
その存在感と演技力で、最も今後の活躍が期待される俳優。

HIROYUKI IKEUCHI

池内 博之Hiroyuki Ikeuchi

1976年11月24日生まれ、茨城県出身。モデルとして活動した後、1996年、ドラマ『東京23区の女』で俳優デビュー。ドラマ『GTO』で人気を博す。『イップ・マン序章』(中国映画)、『レイルロード・タイガー』(中国映画)、『マンハント』(香港・中国合作映画)、『鳳梧洞戦闘』(韓国映画)、『リンボ』(香港映画)など海外作品にも精力的に出演を続けている。海外だけでなく国内でもドラマ『24 JAPAN』、『それでも愛を誓いますか?』、『シジュウカラ』、配信ドラマ『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』、舞台『リボルバー』などジャンル問わず様々な作品に出演。直近では2022年NETFLIXにて世界同時独占配信の『夜叉-容赦なき工作戦-』(韓国映画)に出演。

AWICH

AwichAwich

ラッパー 。Awichは本名の漢字の直訳であるAsia Wish Childを略した造語。沖縄県那覇市生まれ。 2022年3月に発売された最新 Album『Queendom』は、Appleアルバム部門総合1位を獲得。3月14日には初の日本武道館公演を成功させた。

Shogen

尚玄Shogen

1978年6月20日生まれ。沖縄県出身。2004年、戦後の沖縄を描いた映画『ハブと拳骨』でデビュー。 三線弾きの主役を演じ、第20回東京国際映画祭コンペティション部門にノミネートされる。その後も映画を中心に活動するが、2008年にニューヨークで出逢ったリアリズム演劇に感銘を受け、本格的にニューヨークで芝居を学ぶことを決意し渡米。現在は日本を拠点に邦画だけでなく海外の作品にも多数出演している。2021年、主演・プロデューサーを務めた映画『義足のボクサー GENSAN PUNCH』(ブリランテ・メンドーサ監督)が釜山国際映画祭でキム・ジソク賞を受賞。近年の出演作に『ココロ、オドル』(19)、『Come & Go』(21)、『JOINT』(21)、『親密な他人』(22)、『Sexual Drive』(22)など。今後『DECEMBER』(23)の公開を控えている。

MASAYUKI ITO

伊藤 正之Masayuki Ito

1958年生まれ、新潟県出身。劇団「状況劇場」「唐組」を経て、現在、CM、ドラマ、映画、舞台などで幅広く活動。主な出演作に映画『HERO』『THE有頂天ホテル』、ドラマ『探偵の探偵』『ハラスメントゲーム』『クロステイル〜探偵教室〜』、NHK大河ドラマ『真田丸』などがある。【主な舞台】『イロアセル』『照くん、カミってる!〜宇曾月家の一族殺人事件〜』『サクラパパオー』『黒いハンカチーフ』『中の人』『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ』『黒蜥蜴』『ニッポン無責任新世代』『12人の優しい日本人』『バッドニュース☆グッドタイミング』など。

MASAYA KATO

加藤 雅也Masaya Kato

1963年奈良県出身。大学在学中にモデル活動を開始し、東京コレクション、パリコレクションを経験後、88年『マリリンに逢いたい』で俳優デビュー。95年から活動拠点をロサンゼルスに移し、海外作品に多数出演したのち、98年にはハリウッド映画『GODZILLA』にも出演。代表作『BROTHER』(00)『海猿 THE LAST MESSAGE』(10)『アンフェアthe end』(15)『彼女は夢で踊る』(19)『軍艦少年』(21)『キングダム2』(22)がある。レギュラー番組は、ラジオFm yokohama「加藤雅也のBANG BANG BANG!」。

DIRECTOR

YOSHIHIRO HANNO

半野 喜弘Yoshihiro Hanno

映画音楽作家として巨匠ホウ・シャオシェン監督『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(1998)をはじめ、ジャ・ジャンクー等のアジアを代表する監督によるカンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭招待作品の音楽を数々担当。アジアン・フィルム・アワード作曲賞、台湾金馬奨音楽賞等にノミネート。最新作はフランスの名匠クリストフ・オノレ監督『Le lycéen』(ジュリエット・ビノシュ、ヴァンサン・ラコスト)。

映画監督としても『雨にゆれる女』(2016)でデビューし、東京国際映画祭アジアの未来部門に招待。監督第二作の台日合作『パラダイス・ネクスト』(主演:妻夫木聡・豊川悦司 音楽:坂本龍一)は2019年に台日で公開され、台湾金馬奨2019の美術賞にもノミネートされた。
東松照明
1930年名古屋市生まれ(2012年没)。戦後の日本の写真界を牽引する中心人物として活躍。基地周辺の人物や風景をとらえた「占領」シリーズをはじめ、原爆の記憶を辿った『〈11時02分〉 NAGASAKI』(1968年)など、時代状況への鋭い視線とともに、写真表現の可能性を切り開いてきた。1969年に沖縄と出会って以後、基地だけではなく豊かな自然や風俗への関心も深め、その成果は毎日芸術賞や芸術選奨文部大臣賞を受賞した作品集『太陽の鉛筆』(1975年)に纏められた。1998年には長崎へと拠点を移し、その後沖縄にも拠点を作り、旺盛な作品制作を展開。
沖縄戦の図
丸木位里・俊の描いた「沖縄戦の図」は、地上戦である沖縄戦を体験した方々の証言に基づき、その人々がモデルになって描かれたもの。 丸木夫妻は、「日本人の多くは体験した「空襲」を戦争と思ってしまっている。世界で起こっている戦争は地上戦なんだ。空襲と地上戦は全く違う。日本人は戦争に対する考え方は甘い、こういう国はまた戦争をするかもしれない。」と述べていた。「沖縄戦の図」は、地上戦を国内で唯一体験した沖縄の人々に沖縄戦のことを教えてもらいながら戦争で人間がどのように破壊されるかを描きそのことをしっかり見て、戦争をしない歴史を歩んでいってほしい、という丸木夫妻の願いが込められている。沖縄にある佐喜眞美術館にて、常設展示している。

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